雪丸の京都散歩2

雪丸号(自転車)に乗ってちょっとディープな京都をご紹介します

京の石仏

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2020 京都・中秋の名月

中秋の名月を見に京都に行って来ました
相変わらずのコロナ禍で迷いましたが
なるべく人に会わないようにして・・・


とはいうものの何処に行きましょうか
問題は、月を何と見るかです


五重塔なら東寺・八坂の塔
八坂の塔は、周りに建物が迫っているのでかなり
月が上がって(角度)こなくてはなりません


東寺は、月が上がってくる時間閉門されていて
境内に入れない
ならば1号線の歩道橋からか・・・

この日の月のDATAは
月の出 17時45分  94.3度 南中23時43分
月齢13.7

歩道橋からだと五重塔と月の角度が・・・
西山の標高があるところから東山から出る月を見るか

大沢の池はどうだろうか 水面に映る月も良い

結局、広沢池に行きましょう

なんといっても
「名月や池をめぐりて夜もすがら・・・芭蕉」ですからね
月の美しさは芭蕉の保証付きですから(笑)
hirosawa-sekihihirosawa-sekihi02

広沢池の観音島から月を見ましょう
観音島には好きな仏様がいます
hirotsuki 002hirotsuki 003
角度は、良くないが石仏の横から上がってくる月を見ようと・・・

雪丸0号と共に丸太町通りを西へ

観音島に到着して・・・愕然とした
仏様の周りに木々が・・・
これでは見通しがダメです こんなはずじゃなかった(涙)

よく考えると 観音島の石仏が好きで何度も足を運んでいますが
みな12月だったような 木々には葉がない時期
見通しが良い季節のイメージしかなかった(笑)


壹美白辨財天社越しの月を見ましょう

hirotsuki 001
広沢池に到着したときは、風が結構吹いて湖面が波立っていた
月が湖面に写り込むのは無理なようです

17時を過ぎた頃から人が観音島に集まりだした
お目当ては、もちろん中秋の名月
この頃になると風が弱くなってきました


月の出 17時45分になりましたが上がってこない
‏‎17時58分30秒 見えてきました
予想より左の方でした
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hirotsuki 006hirotsuki 005
中秋の名月の月光浴を楽しむ・・・・・・

月の美しさに見とれていると夜が明けてしまいますって芭蕉も言っていますので
嵐山に向かいます

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渡月橋です
亀山上皇の「くまなき月の渡るに似る」ですね

やはりここでも何人かの方が月にカメラを向けていました
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観月船でしょうか(笑)

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最後に目指すは・・・やはり(笑)
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北野天満宮東門の狛犬と月です

hirotsuki 011
上七軒通りを月が渡っていきます


良い天気でした 良い中秋の名月でした 
昨日は、結構な雨でかえって空気が洗われたようです

今回のオマケです
こちらも迷いました・・・お月見団子
なにせ京都ですから有名和菓子屋さんや餅屋さんがいっぱい


結局 今回は、長五郎餅さんのお月見団子をいただきました

tukimidango
長五郎餅とお月見団子をセットで
京都のお月見団子は餡を半分まとっています

十五夜は里芋の収穫の時期で「芋名月」とも呼ばれるいるので
里芋を模したものと言われています

04
https://line.me/S/sticker/1090260
m-nana



蓮華寺から旅立った石仏

「広沢池の仏さま」 「五智山 蓮華寺の石仏」とご紹介してきましたが

広沢池観音島の千手観音石仏の他にの蓮華寺から
旅立った石仏があと二ヶ所あります(分かっているもの)


今回は、その二ヶ所のご紹介です

一ヶ所目は下京区の平等寺です
平等寺というより因幡薬師といったほうが一般的でしょうか

洛陽三十三所観音霊場の第27番札所

それでは行ってみましょう

inaba-hondo
本堂にお参りして左に(西側)に入っていきます

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菊と橘の紋

小さなお堂の(大日如来・金剛界)の後に石仏が二体います

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向かって左側が金剛夜叉明王と右側は多聞天

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金剛夜叉明王です 憤怒の表情が良い

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右側が多聞天
顔は傷んでいますが 衣の部分は、まだエッジが立っていて保存状態は良い

裏のスペースが狭く回り込めません 
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金剛夜叉明王の後

inaba-tamonteni ura
多聞天の後

両方とも 樋口平太夫家次や作但称の文字が埋められている
なぜ埋められているのか・・・・・・
謎ですがそのあたりがこの石仏がここにある理由なのかも・・・ 


 もう一ヶ所は、山科区御陵大岩の本圀寺です

三条通から看板があります
車の場合は道が狭いので注意してください
honkokuji-kanban

honkokuji-hashi
疏水にかかる赤い橋を渡って行きます

 以前は、金ピカなお寺さんで なかなか印象的でしたが最近は少し落ち着いてきました(笑)

目的の石仏は、ここにあります・・といいたいのですが
少し場所が移動しました
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 左の画像は、2013年3月    
2014年の2月にお参りしたときは移動していました

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 こちらに移動していました 理由は・・・分かりません
九頭龍銭洗弁財天

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勢至菩薩

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 お馴染みのお顔ですね

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十一面観音

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 勢至菩薩の後側に刻まれています
はっきりと読み取れます


最後に この二ヶ所の石仏に関しては「旅立った」ではなく「流失した」でしょうか
理由はともかく・・・・一度ご覧になってください・・癒されます



 今回のオマケです

平等寺 因幡薬師の地蔵堂です
inaba-gyakuman
瓦に注意・・・・卍と逆卍です 

広沢池の仏さま

毎年、冬になると思い出す景色があります

広沢池です

hirosawa-komafuda
周囲約1.3km ため池として造られたとのことです
古都保存法の歴史的風土特別保存地区に指定されています

なぜか分かりませんが冬の景色の印象が強い
もちろん桜の時期や秋・・その他の季節にも行っているのですが

12月になると池の水が徐々に抜かれて鯉揚げが始まります
この地方の冬の風物詩になっています 

hirosawa-sekihi
 広澤の池碑です 三宅碑とのことです
石碑には 「名月や池を めぐりて夜もすがら」

芭蕉ですかね  中秋の名月のときに訪れて
月を眺めながら時を忘れて池の周りを歩いてみたいものですね

反対側に「大覚寺西五丁/広沢の池」道標
池側に「三宅・・・・」とあるのでしょうか
近づくことができませんので・・・・・

鯉揚げの際に近づくことができるやもしれません

hirosawa-torii
ついでといってはなんですが 
以前ご紹介した送り火の日の広沢池です
満員になります


そんな広沢池の西岸に小さな島があります
名前を「観音島」と呼ばれています

今回は、広沢池観音島のご紹介です

場所は、ここです
hirosawa-kannonmap
元々池の西側には遍照寺というお寺があり
そこに十一面観音のお堂の建つ島がありましたが
江戸時代になくなってしまいました
1893年 島を再建することになり
その際に 五智山蓮華寺(右京区)から像を借り受け安置しました

観音島に渡ってみましょう
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りっぱなコンクリートの橋が架かっています

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 観音島の仏さまです
ソーラー&LED化が進んでいますね(笑)

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観音島の千手観音像です・・・穏やかな良いお顔でしょう

hirosawa-kannonte
なんといっても手が可愛すぎます(笑)

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後ろ側

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「願主本国伊勢生武州江戸住樋口平太夫家次
寛永十八年月日造立之 作但称」の刻銘がある

この刻銘が大切になります
五智山蓮華寺らかやってきた証ですね

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島の先端にある壹美白弁財天社
撮影は2月なので水が入っています 

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お参りに来る方もみえます

120年余りずーっとこの池を見守り続けてきました
そしてこれからも広沢池を守り続けていくのでしょうね

広沢池に行かれることがありましたら いや近くを通られましたら
ぜひ一度 仏さまをご覧下さい・・・癒されます

(池の西に一時的でしたら車を止めることができます) 

honkokuji-mamushi
4月にこのような注意書きが・・・どっちもヤバそうです
寒い季節がいいようです(笑)

なお、五智山蓮華寺らかやってきた仏さまは あと2ヶ所に・・・
蓮華寺の仏さまと合わせてご紹介したいと思っていますので
お楽しみにしてください 
 
 

五劫思惟阿弥陀如来

今回は、五劫思惟阿弥陀如来(ごこう)のご紹介です
    

全国的に珍しく作例が少ない仏様です

阿弥陀如来の異形のひとつ  四十八の大願を成就するために永い間
坐禅・思惟していた。 髪の手入れをすることも忘れて・・・・・
ゆえに このような髪型(アフロ)になりました


劫(こう)とは?なんでしょうか
それは時間の単位です。

どれだけの時間と言えば 40里四方(一辺160km)の大きな岩の上に
100年に1度とか300年に1度とか(諸説色々あり)天女が舞い降りてきます。 
そして着ている羽衣でヒラリと岩をひと擦りするとほんの少し岩が磨り減ります。

この一辺160kmの巨大な岩が、磨り減ってすべてなくなってしまう
までの ものすごく長い時間を一劫と言います。

たとえが凄いですね 

五劫とは、その5倍のです。
(よく分からない想像すらつかない長い長い~時間ということですね)

そのような長い長い~時間 いかに衆生を救うかを思惟して修行をしその結果
髪の毛が伸びて螺髪を積み重なった頭となりました
そんな様子を形にしたのが五劫思惟阿弥陀如来です

落語にも出てきますね 
有名で皆さんも一度はお聞きになったことはあると思います

落語「寿限無」
寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚、水行末、雲来末、風来末、
食う寝る所に住む所、薮ら柑子のぶら柑子、
パイポ、パイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助



ところで五劫思惟阿弥陀如来といえば
奈良東大寺にある鋳造の五劫思惟の阿弥陀如来が有名ですが
京都市内にも見ることができる場所があります

こちらは石仏です
一番有名なのは
金戒光明寺の墓所にある通称「アフロ石仏」と呼ばれている仏様です
新聞や雑誌に登場します
特異な容姿のためでしょうか人気があります

今では、奈良東大寺にある鋳造の五劫思惟の阿弥陀如来よりも
いつでも誰でも会いにいけることで有名になったようです
5ko-kurotani-1

墓地の三重塔に続いている石段の脇(塔に向って)左側にあります
手前に地蔵菩薩立像がありすぐ分かります

5ko-kurotani-up

良いお顔です  なんかホッとします
35/00/56.1  135/47/29.2  ±4m  日本測地系

5ko-kurotani-2

隣に新しくお墓が建ちました 手すりも付きました
周りは、変わっていくようですね



次は、百万遍の知恩寺です

知恩寺の墓地には3体の五劫思惟阿弥陀如来があります


知恩寺の墓地の門を過ぎて中央南北墓道を進んでください
正面に生垣で囲まれた場所があります
後西天皇皇女の墓域です

このすぐ奥(北)に1体目の五劫思惟阿弥陀如来がお待ちです

5ko-chion-1

35/01/39.0  135/47/03.2  ±4m 日本測地系
赤い屋根の後には大文字が見えます
一度、大文字の送り火を五劫思惟阿弥陀如来越しに見てみたいのですが
20時 開始ですので(夜の墓地)遠慮しておきます(汗)

さらに奥(北)に進むと圓光大師(法然上人)の本廟があります
5ko-honen

圓光大師(法然上人)本廟

左(西)に進んでください 鳥居元忠の墓所に向う手前 左側にお待ちです
2体 並んでいます

5ko-chion-2

35/01/39.3  135/47/02.6  ±3m  日本測地系
残念ですが磨耗があり表情は 少し読取りにくい



この4体の五劫思惟阿弥陀如来がどういう理由で置かれたのか
個人の霊を慰めるために建立されたものと思われますが・・・・

それとなぜ他の仏様ではなく五劫思惟阿弥陀如来を選ばれたのか
よほど思案することがあったのでしょうか


一度、ご覧になってください
しかし、墓地であることをお忘れなく・・・・・お静かに・・・・・・合掌
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