雪丸の京都散歩2

雪丸号(自転車)に乗ってちょっとディープな京都をご紹介します

2011年07月

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修学院離宮の祇園祭山鉾

祇園祭も あと31日の疫神社夏越祭を残すのみとなりました
皆さんいかがでしたか 今年の祇園祭 暑かったですね
今年行けなかった方は 来年ぜひお出かけください
来年の宵山も土・日・祝が入ります


今回はちょっと違った祇園祭の紹介です
修学院離宮(しゅうがくいんりきゅう)をご存知でしょうか?

修学院離宮(しゅうがくいんりきゅう)は上離宮・中離宮・下離宮の三つの離宮からなる
後水尾上皇によって造営された天皇の山荘です。
現在は宮内庁の管理になります

参観には宮内庁の許可が必要ですが参観は無料です

修学院離宮の中の 中離宮(中御茶屋)は
後水尾上皇の第8皇女・光子(てるこ)内親王のために寛文8年(1668)
造営された朱宮(あけのみや)御所が前身です

朱宮御所は上皇の死後、林丘寺という寺に改められ、明治18年(1885)、
楽只軒(らくしけん)と客殿を含む、林丘寺境内の約半分が宮内省に返還されて
修学院離宮の一部となりました。


書院造の客殿は、延宝5年(1677)造営された東福門院(後水尾天皇女御、徳川2代将軍秀忠娘)の
女院御所の奥対面所を移築したものです。

客殿一ノ間の霞棚は、桂離宮の桂棚、醍醐寺三宝院の醍醐棚とともに「天下三棚」の一として有名ですね

それでは修学院離宮の祇園祭です
syugaku-sugito

西縁北側にある杉戸に描かれている山鉾の絵です。
南面に放下鉾と岩戸山です。制作年代は延宝5年(1677)

住吉 具慶 すみよし ぐけい、の作品と伝えられる。
住吉 具慶は、寛永8年(1631年) - 宝永2年(1705年)江戸時代前期の絵師です
現在の祇園祭の鉾飾りとは違います
当時の祇園祭の様子が分かりる貴重な作品です

放下鉾  見にくいですが鉾頭が分かります

岩戸山 鉾型に改造した最初の曳山  りっぱな松は現在の真松となっています
上は伊弉諾尊像でしょうか  鳥居と長鳴鳥そして天照大神像です

北面に船鉾は二面にわたって描いてあるそうですが
見たことはありません しかも凱旋船鉾とのこと 大船鉾(休み山)ですね
船鉾に帆柱あり・・・・ぜひ見てみたいものです


修学院離宮の参観の受付は三ヶ月前の一日からです
すなわち 紅葉の時期で年間で一番人気の11月の予約が
8月1日からスタートします。

ネットからの受付開始は、1日の午前5時からです
(午前0時から午前5時までサーバーのメンテナンスのため、申込みはできません)

アドレス http://sankan.kunaicho.go.jp

8月1日の午前5時が1年の中で一番アクセスが多く繋がり難い状態になります
希望が多いと抽選になるらしいが 人の心理として早く申し込んだ方が
良い結果になるような気がして・・・・・早朝アクセス(笑) しかも月曜日・・・・・

2011祇園祭・山鉾巡行

7日の朝、8:00山鉾町に出た
各山鉾も最終の飾り付けに忙しそう
準備が完了すると北から南から四条通に出て整列する

巡行の順番は毎年「くじ」で決まります
その中で「くじ取らず」と呼ばれているくじを引かない
8基の山鉾は古例により山鉾巡行の順番が決まっている
その他の山鉾は毎年順番が変わります

すべてが山鉾町から順番に出れないので「船鉾」などは
四条新町の交差点に南から上って来ると辻回しを行い90度 東(八坂神社)の方を向く
そうして一旦、西にバックする
その場面が見られるので四条新町は人気のスポットです
funehoko tsuji

船鉾 四条新町の辻回し

なお、河原町方面には行きませんでしたので・・・
山鉾巡行の写真は他の方にお任せします

山鉾巡行は、四条から河原町そして御池に進む
各山鉾町には新町通を南下して帰る

ご存知のように新町通は幅が約6mと狭い
しかも御池通の1本南の姉小路通が交わるところが
2m弱東にずれている。クランクができているので方向を変えなくては
いけない

新町通に入ってからが車方・屋根方の本領発揮です
山鉾は動かす・軌道修正・方向転換すべて人力で行います
そこで車方がカブラを駆使して方向を変えて進むことになる

車輪の下にカブラと呼ばれる先端のふくらんだ棒を入れる事で
車輪を乗り上げさせます。

その瞬間に横に鉾を少しスライドさせるんですね。
あまり深く入れすぎると 持ち上がりそして「ドン」と音がする
迫力満点だが 鉾は重さ10トン以上なので衝撃が伝わる

いかに衝撃が少なく確実に軌道修正をするのが車方の腕の見せ所です
結構頻繁にてこ入れをします。いそがしそう

大きく揺れる真木・狭い道・迫る民家の壁や電信柱&電線 
車方と屋根方の腕の見せ所
屋根方(やねかた)もギリギリですね
鉾もギリギリですが屋根方もギリギリで落ちそうです
ロープ1本で大丈夫?

ピッタと決まると歓声と拍手 鉾の皆さんの顔は誇らしげです
「よっ!長刀」(歌舞伎風に)の声は残念ながら掛かりませんでした(笑)

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新町通を行く月鉾

新町通は人気があり10時少し過ぎまでに場所を確保しないと
10時30分でほぼ満員になります

鉾のきしむ音・車輪の転がる音・かぶらてこの音・かけ声 迫力満点
こればかりは ライブでないと写真では分かりません
来年こそは祇園祭山鉾巡行デビューはいかがでしょうか
楽しく華やかです。
一度ライブでご覧ください。 しかし、くれぐれも暑さ対策はお忘れなく


おまけです
辻回しの際、使用するバケツがいろいろ論議があったプラスチックのバケツは廃止になり
平成22年の巡行から木製おけを使用 今回初めて見たが木製の桶の方がいいですね
あくまでも見る方の意見です

暑く・熱い祇園祭

16日 祇園祭宵山 あまりに暑いのでゆっくりした上洛になった
山科から三条通で蹴上に入る 路上に設置してある温度計は「38度」
えっ、故障か? 次の温度計は「35度」 とにかく暑い!!

銀閣寺方面に向うと 「四つ葉タクシー」発見
これは上洛そうそう縁起がいいぞ・・・・・・・・・・
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しかし、お目当ての駐車場は二ヶ所とも満車の表示
まあ三連休ですからね・・・・・想定内と負惜しみ

なんとか駐車して地下鉄で四条烏丸へ
14:00すでにかなりの人出 そして暑さ「京の油照り」です

先回ご紹介した鉾町の仁丹看板を確認する。
ありました「下京區 四條通西洞院西入 傘鉾町」です
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なんとか写りました
偏光(PL)フィルターが欲しいですね

山鉾は、宵山は提灯が飾られ夜になると本当にきれいです
写真ではうまく伝わりませんのでぜひ一度、京都に足を運んでください

それでは少し違う観点からのお祭の京都を見てみましょう。
今年の宵山は、土曜日・・・・∴すごい人&人そして人

18時になる山鉾町はもちろんのこと烏丸通と四条通(八坂神社まで)遊歩道になります
人出は最高潮に・・・・・まともに歩くことができない
加えて今年はNHKの祇園祭ライブ中継がある 
あちらこちらの山や鉾でロケハン&打合せ

毎年1つと決めて「厄除け粽」を買うことにしています
今年は、先回ご紹介しました大船鉾の粽を
再興の応援を兼ねて購入しました
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大船鉾の厄除け粽です

とにかく暑い 午後3時半ごろに気温が36.7度今年最高
ペットボトルを何本飲んだのか・・・・自動販売機を見つけては買う
人気は、さっぱり系だ。お茶・ウーロン茶・水など「売切れ」のランプが目立つ
買ってみるとかなりの確立で(笑)で冷えていません ほとんど常温状態
もう冷やすのが間にあいません。
自販機のゴミ箱はもちろん道路に設置されている臨時のゴミ箱は満タン

一方、露店では「冷やしきゅうりの1本漬け」が人気です
あのきゅうりの浅漬けに割箸を刺した「アレ」です
しかし待ってください 京都の古くからの言伝えで「祇園祭の間はきゅうりを食べてはいけない」
きゅうりの切口が八坂神社の神紋に似ているから恐れ多く
祭りが無事に終えられるようにと願いを込めて・・・・・・ではなかったか

3年ほど前からずっと疑問でしたが ある人が(本人の希望で匿名)
「切ってなくて1本のまま 一気に食べれば切口が見えない」とのこと
これでどうでしょうか! と言っていました。
そうかもしれません しかし「売り手が京都の人間でない」が正解のような気が・・・・(笑)
でも買っているのは・・・・・・よく分かりません(大汗)

その露店ですが 山鉾町は早くから烏丸通は遊歩道になると御池通まで両側に
ぎっしり並ぶ いろいろな露店があるが一番人気はから揚げ&ビールでしょうか
しかしこの多数の露店が山鉾巡行のため 17日には撤収されている
かなり短時間なのでこちらも体力勝負ですね

人出は 宵々々山(14日)15万人 宵々山(15日)28万人 宵山(16日)45万人 

さあ、17日は山鉾巡行です   巡行は次回でお願いします

今、大舩鉾が熱い

いよいよ祇園祭宵山に突入しました
今年は、例年に比べて暑い宵山になりそうです
高温注意情報発令中 熱中症注意ですね

昨晩14日の宵々々山は15万人の人出だった
すると宵山は・・・・・・・・・やはり50万人突破しそうですね


2011年現在巡行する山鉾は32基で、巡行しない山鉾(休み山・休み鉾)は3基です。

「休み鉾(山)」とは何でしょうか?
記録に残りながら、本体や懸装品などを焼失し、巡行に参加していない山鉾のことです

江戸時代になって主な大火災は、宝永の大火・享保の大火があったが
やはり天明の大火が規模・被害は比較にならないほど大きい
山鉾町も例外でなく被害にあった 
詳しい史料は残っていないが残念だが無傷ですんだところはほとんどなかったでしょう
そして元治の大火
現在巡行する山鉾も復活に時間とお金と人がかかっています
昭和になってやっと復活できた山もあります
まさに戦乱や火災の焼失と復興の歴史です


休み山・休み鉾の3基
休み鉾 大舩鉾 おおふなぼこ 下京区新町通四条下ル
休み山 鷹山  たかやま 中京区三条通室町西入
休み山 布袋山 ほていやま 中京区蛸薬師通室町西入

この中で今、大舩鉾が熱い

大舩鉾は、元治元年(1864)の蛤御門の変による大火(どんど焼け)で焼失、
御神体の神功皇后の御神面や、五瓜龍の舵、舳先を飾っていた金幣や、
前掛、後掛、水引等の懸想品が残っています
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大舩鉾のシンボルである船首の大金幣

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大舩鉾の五瓜龍の舵


大船鉾復興へ順風満帆 9月に胴体完成

祇園祭・山鉾巡行の「休み鉾」で、復興に向けて動きだした「大船(おおふね)鉾」の
製作が始まっている。骨組みに当たる「櫓(やぐら)」と囃子(はやし)方が乗る
「船」で構成する胴体部分の原寸大模型が既にできあがり、実際の巡行に使う胴体も
9月に完成する予定だ。1864年の蛤(はまぐり)御門の変に伴う大火で焼失してから
150年となる2014年ごろを目標に巡行復帰を目指す。

大船鉾は、焼失するまで後祭(あとまつり)巡行のトリを飾った。
復興すれば、1966年から行われていない後祭(7月24日)の
復活議論にも弾みがつきそうだ。

大船鉾の製作は京都市内の工務店で進められ、胴体は全長約6・5メートル、
最大幅約3・3メートル、櫓に組む「船」の舳先(へさき)までの高さ約4・8メートル。
ヒノキ材を用い、現在巡行している船鉾より一回り大きい。

直線的な部材の多い他の鉾と違い、曲線の部材を多用する「船」の
製作が難しく、まず原寸大模型を作った。

胴体は完成後、下京区の京都ヨドバシビル内に展示する。
船に載せる「屋形」は史料や専門家の意見を参考に形を検討し
できあがった順に展示する。

四条町大船鉾保存会(下京区新町通四条下ル)は4月に
祇園祭山鉾連合会の33番目の正式会員に迎えられた。
松居米三理事長(78)は「鉾が目に見えるようになり
復興が進んでいると実感がわいてくる」と目を細める。
2011年06月08日 15時13分 京都新聞

だんだん近づいてきました。
船鉾は1つだけ形が違っていましたが 大船鉾が復活すると
「出陣の船鉾」に対して「凱旋の船鉾」と2つ揃ってめでたしめでたしですね
復活が、たいへん楽しみです

管理人も16日から上洛します。17日の巡行まで・・・暑いでしょうね(笑)
雪丸は留守番です(涙)

路上から見た祇園祭

「気象庁は8日、東海、近畿、中国、四国で梅雨明けしたとみられると発表した。
このまま確定すれば、いずれも昨年より9日早く、平年より13~10日早い」
今年の祗園祭は益々ヒートアップのようです


祗園祭に参加する「山」「鉾」はすべて組立て式です
その数は鉾が9基、山が23基
「山」や「鉾」は、普段は分解して蔵に収納されています
したがって 最初に組み立てるわけですが、
そのとき 主となる部材を置く場所の目印となるのが
道路に埋め込まれた石(礎石)です

市内の山鉾町を歩くとき 路上に注意して下さい
会所の前や近くに4ヶ所 そして提灯や旗を立てる場所にも
2ヶ所あります
その町の入口にあります
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岩戸山の礎石です

組立てそのものも釘を一切使用しないで縄を使用します
各部材を接合するのに 「縄がらみ」という技(手法)で縄が巻かれます
その技がおりなす縄の模様がたいへん美しく見事なのです
代々受け継がれてゆく「技」&「業」ですね・・・・・・
en-gyojya.jpg
役行者山の「縄がらみ」の一部です
組立ての途中の段階です
完成するともっと見事になります

四条通・河原町通・御池通と山鉾が進み
巡行が終ると各山鉾町に戻ります。
このとき出発した場所  そうです礎石の場所にピッタリ収めるのが
町衆の腕の見せ所なのだそうです
無事定位置(礎石)に山が止められ、囃子が終わると手締めが行われて終了です


山鉾巡行は,八坂神社の神様の御神輿をお迎えする
その前に町内を「山」や「鉾」が回って神様が通られる道を
清める役割を担っています

そのため巡行から戻った山鉾は、すぐに解体されます
疫神など邪悪なものを祓うために巡行した山鉾を
すぐに解体することによって清めるとするためです


そのままにしているとまた疫神が町内に行ってしまう
これを防ぐためにさっさと解体してしまうということですね

装飾品や車輪はすぐにしまわれ、骨組みと屋根だけになります
翌日、順番通りに土蔵へ各部材を収納して
来年の祭まで眠りにつきます

しかし、祇園祭はまだまだ続きます・・・・・・・・・・
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